男性不妊の原因
男性不妊の90%は原因不明の造精機能障害と言われています。
造精機能障害とは精子をつくりだす機能に問題がある場合で、無精子症、乏精子症、精子無力症などです。
精液検査等で精子数、運動率を調べて判定されます。
造精機能障害の原因は日常生活の中の不規則な生活、睡眠不足、偏った食事、運動不足、肥満、痩せ、タバコ、ストレスなどとされています。
特に、過度のストレスは男性ホルモンの『テストステロン』の分泌を低下させ、精力減退や精子数の減少、精子の運動率を低下させ、不妊の原因と深い関わりがあることが分かって来ました。
精子の老化
造精機能障害以外にも、精子の老化も不妊に大きく関わっています。
男性の精子も女性の卵子と同じように35歳を過ぎると老化します。
妊娠率が下がり、流産のリスクが上がるのです。
射精が出来れば問題ないと勝手に判断したりする人がいますが、大きな間違いです。
男性も不妊と向き合う
男性は仕事が忙しいと言って、検査を拒否したり、射精が出来れば問題ないと勝手に判断したりする人がいます。
前述のとおり、不妊の原因は約半分は男性にあり、まず不妊と向き合い、男性も早めの検査をして、パートナーとの協力と支えあいが大切だと思います。
男性も早めの検査をお勧めします
WHOでは、男性不妊であるかどうかの基準を定めています。
精液量、精子濃度、精子運動率、奇形率で判断し、その一つでも基準値を下回ると妊娠が難しくなると統計上出ています。
それに加えて、最近では精子の中身を見る検査が注目されています。
精子の質を見る検査です。
具体的には、
- 精子のDNAがどれだけ損傷しているかを示すDNA断片化率(DFI)
- 精子にダメージを当たれる活性酸素とこれを抑える抗酸化物質のバランスを示す酸化還元電位(ORP)
です。
DFIやORPの検査を行う医療機関はまだ少ないですが、WHOの精子検査をぎりぎりにクリアーしている人や妊娠率が低いカップルは積極的に受診されることをお勧めします。
私の場合
私は、20数年前の不妊治療の際、検査で乏精子症と判定されましたが、私への治療は無く、妻への負担が大きい「体外受精→顕微授精・・・」と進んでいきました。
その理由は、(極端な話)一匹の精子があれば授精可能なので、治療する必要は無いと判断されたからです。
しかし、結果は駄目でした。
『精子の質』が悪ければ、高度生殖医療でも難しいのです。
私は精液検査等で、男性側に不妊の原因があると判明した場合、顕微授精まで実行する予定があっても、鍼灸によって『精子の質』を高める(=良質な精子を増加させる)治療をした方が、妊娠に至る確率は高くなると考えます。